高校生との対話

一点集中よりもストーリーで考えると、深い所で考える形になる……

高校生との対話 ⑤

高校生と〈自殺&つながり〉についての話をしていました。
「自分の気持ちに合った曲を聴くと、気持ちが別のものに移ったり、混ざったりするのです。
ストーリーを考えるのが好きです。これはこうなんだよねと考えて、曲を聴くとさらにそうなのかなと思うのですよね。一点集中よりも、もっと深いものを考えられる形になるのです。
その奥にあるものが、視野が広くなるというか……。
死んじゃったら何も考えなくてもいい、と思ったことはあります。でも家族は大事なので、死ぬのはよくないと思います」
僕からは、誰か一人とでもつながっている人は自死しないみたい、そして このごろ表情がハッキリしてきたよ、と言いました。
「以前は、両親はちゃんとやってくれているから、私がいろいろ言ってはいけないと思っていました。 このごろは親とのコミニュケーションの“コツ”がつかめてきたので、言いますね。コツの一つが、相手の話を最後まで聞いてから応えるようにしています。
このごろ自分の表情がはっきりしてきたと思います。なんか“軽い表情”になったなと……」
僕からは、沈黙の時間って大事な時間、いい時間だと思ってる、そして 毎日鏡を見て、もうひとりの自分と対話をするのもコミニュケーションの練習になるよ、と言いました。
「鏡を見る、それやってみますね。田中さんとの間の沈黙の時間は、居心地がいいので、そうやっていられる感じです」