〈 対話・自己愛と性 no.7 〉   ~ 死と向き合い、しなやかな心を育む ~

 

「自己愛と性」を読んだ60代男性から、感想が届きました。


 感想を書かせてください。
愛情のないセックスは、自分と相手を傷つけているというか、大切にしていないと思います。
それは虚しい&寂しい自分と相手を作ることになると思います。
特に女性はこどもを産む役割があるので、自分を軽んじることをしてはいけないと思います。
若い頃、ちょっとやけっぱち気味の付き合いをしている男女がいましたが、自分の命を軽んじてると思いました。
私もあまり偉そうなことは言える立場ではありませんが・・・。
家庭内の愛情表現について。 両親は戦争世代で、生きるか死ぬかの中を生き延びてきましたので、大変きつい面があります。
 そして、典型的な男性中心の社会でした。
 父親の兄弟5人。長男は戦死しました。
弟たちは帰省してくると、企業の動向や社会の話ばかりしていました。
おかしな話ですが、家族に女性がいたなら、だいぶ変わっていたと思います。
 つまり、愛情を感じられたかもしれません・・・。
私はこどもの頃、若い女性は私を可愛がってくれるものだ、と信じていました。
なぜか? 愛情に飢えていたのかもしれません。 
だから親族が結婚するとき、妻となる女性と会うのは、とても楽しみでした。

(田中からの応答)
 感想をありがとうございます。
 “愛情に飢えていたのかも?” という言葉を聞いて、そうかも? と感じました。
 外に求めたのですね。
私は、早くに連れ合いを亡くした祖母と、母親からいっぱい 愛情をもらいました。
 小さい頃の思い出は、
祖母に見に連れて行ってもらった蒸気機関車です。
 このころ、安心基地ができたと思います。
中学の時、宿題(親の戦争体験を訊く)が出ました。
 父は戦争のことを話してくれませんでした。
話せる大人になろう、と思いました。親を超えるきっかけだったと思います。
ロシアのウクライナ侵攻が続いています。
 ガザでは、6週間の停戦が発表されました。 
親を超えることは難しい時代ですが、静かに向き合っています。
先日、“チコちゃんに叱られる” というNHKの番組で、“ぬいぐるみ” が取り上げられました。
1才の女児が選んだのは、4択でパンダの縫いぐるみでした。 
「ぬいぐるみは、親離れの道具です。食べ物や授乳はやってくれないです。そこが、親離れ!」
最後の一言は、「子離れは大丈夫ですか? 孫離れは大丈夫ですか?」 でした。
コメンテーターは、人形文化が専門の白百合女子大学の菊池准教授でした。

〈ティーンズ・ボディーブック 新版〉(北村邦夫著・中央公論社・2021刊)
  「死と向き合ってみよう」  (p.11)
レジリエンスという言葉が注目されている。 (*弾力的なしなやかさ)
京都大学・藤井聡教授によれば~ 成人への過渡期である思春期に涵養されるべき最も重要な資質だというのだ。
・・・そうした危機に対する対処能力、すなわち“折れない心” を持っていることが求められている。
死に対する想像力が “折れない心” を育むというメッセージだ。 “折れない心” を作るためには、“死” を遠ざけようとするのではなく、身近で当たり前のものだと知ることが大切なのだ。
その一方で、死を含めてショックを被った心の回復には “希望” が必要だ。 “生きていてもどうせダメだ”
では、明日を生きる力を発揮できないからだ。
 死と希望。 “折れない心を育む” を考えるきっかけにしたいものだ。


コメントの書き込みができるようになりました。
この記事へのご感想をコメントにお書きください。
コメントにはお名前、メールアドレスを必ずお願いいたします。
書き込みは非公開となっております。ご本人がご希望された場合以外は公開されることはありません。

(旧記事にはコメントできないページがあります。ご了承ください。)

Comments

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です