できない、じゃなくて、“そのままでいい”から始まる成長

私は、学校生活にさまざまな悩みや困りごとを抱える6人の子どもたちと、1年間グループワークに取り組んできました。

その子たちは、大人数の集団にうまくなじめなかったり、自分に自信が持てなかったり、授業中じっと座っているのが苦手だったりと、それぞれに違った困りごとを抱えていました。中には、人とのコミュニケーションが苦手な子や、まじめさゆえに友達との関係がうまくいかなくなってしまう子もいました。

このグループワークの目的は、そういった子どもたちが「その子らしく」自信を持って生きていけるようになることでした。自分の中にある強みに気づき、苦手なことは無理せず人に頼ることができるようになってほしい。そんな思いで、安心して過ごせる少人数の場を大切にしながら、1年間活動を続けました。

また、保護者の方の中には、子育てに自信をなくしていたり、どう関わっていいか悩んでいる方もいらっしゃいました。だからこそ、子どもたちのよさを保護者の方にも伝え、家庭と協力しながら子どもたちの成長を見守ることも大切にしました。

具体的な活動としては、ひとつのテーマについていろいろな考えを出し合ったり、価値観の違いに気づき、認め合うようなディスカッションを行いました。また、「自分はこんなことがしたい!」という子どもたちの提案をもとに、みんなでどうすれば楽しくできるかを一緒に考える時間もつくりました。自分の思いを言葉にし、仲間と協力して形にしていく経験は、子どもたちにとって自信につながったのではないかと思います。

実際に、「自分は何に困っているのかが分かってきた」と話してくれたり、「自分の思いを伝えられるようになった」と変化を見せてくれた子もいました。「自分のことがあまり好きじゃなかったけど、いろんな人の考えを知ったことで、自分を大切にしてもいいんだと感じられた」と言ってくれた子もいました。

私自身、この1年間で大きな気づきがありました。社会や集団の中で「みんなと同じようにできること」がよしとされがちですが、それが時には、その子自身のよさや個性を押しつぶしてしまうこともあるのではないかと感じました。子どもたちが、自分らしさを大切にしながら、それを強みに変えて生きていけるような関わりが必要なのではないかと思います。

そして何より、子どもたちが少しずつでも自分のよさに気づき、自信を持って人と関わろうとしてくれたことが、本当にうれしく、やってきてよかったと思える経験となりました。

次回は、自分の弱さを認めるのが怖かった子が、一緒にいてくれる周りの人との関係を通して、自分の弱さを受け入れる強さを身につけられるようになってきた、過程をお話ししたいと思います。


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