高校生との対話

主語を小さくして、自分はどうか、から始めましょう

高校生との対話 ⑨

【18才からの人生を楽しむために ~自分はどうかと問うことから~ 】
原田朱美さん(朝日新聞記者・45才)の信州岩波講座の信毎記事(2021.12.1 開催)を読み合わせしました。
(*参考/「ミライを生きる君たちへの特別授業」(岩波書店・2021刊)

“人類5千年の歴史で分かったのは世界のほんのわずか。
18才からは、正解はなく、よりよい選択肢を自分で考えることを求められます。
どちらのルールが正しいかではなく、ゆっくりと対応していけばいいだけです。
夢と仕事、別々に追いかけることがあってもいいですよね。
太宰治の「人間失格」の一節を紹介します。“それは世間が、許さない。世間じゃない。あなたが、許さないのでしょう?”(*「人間失格」(太宰治著・1952刊)
社会や会社など、主語が大きい言葉は暴力的になります。
あなたがそうなのか。私はどうなのか。主語を小さくして、真に受けないことです。
自分の進路は自分で選びましょう。他人は責任を取ってくれません。
大人になると、自分で決められることが増えます。仕事でも、子育てでも、趣味でも。
かつて取材先で、“人生のピークは18才なのですか?”と問われ、こう答えました。“私は今の方が楽しいよ”

(高校生) 新聞のコラムを読んで初めて そうだ!と思いました。“私はどうなのか? 主語を小さくして!”に納得しました。違和感 ありませんでした。
(田中) “主語を小さくして考える”ですね。あなたの主語は、「あなたと私」が主語になっているように感じてきました。“私”になっていない……。
(高校生) 私は動かないから。
(田中) 動かないと、相手と柔軟な距離(関係)を取れないと思う。あなたが全てを受けとめると、無理があり、疲れるよね。
(高校生) うすうす気がついていました。そこが私の問題点みたいですね。(笑)「人間失格」という本は読み返してみます。
(田中) あなたは感じる知性を持っている、と言いました。そこは大人です。
でも、思春期だから、心はいくつもあるのです。皮肉れてはいないですよ。(笑)
(高校生) 私は人と対立した時に、譲りたくないのです。 人より、嫌だなと思う幅が広いと思います。たとえば、言葉遣いが汚い人は嫌です。
このごろ、自分で動けた時は、自分へのごほうびにコンビニで高い珈琲を買って飲みます。(笑)