高校生との対話

自分の大事にしている感性は譲れないんですと聞いて、 “いつまでも話せそうです”の意味が分かりました。

高校生との対話 ⑩

(高校生) もっと自分がいろいろな世界へ入って行かないとまずいと言いましたが、私は人と話す前から感情を出すのを閉じてきました。 もっとお互いを信頼しあわないと、関係が続かないと思いました。
私は根がネガティブなので、文章を書くと、ネガティブな「人間失格」(太宰治著)の文章に引っ張られたりしてしまうんです…。
たとえば、私の中に 嫌だな!嫌だな! ということがイッパイあるのです。
学校へ行くのがずっと、ユーウツでした。
(田中) 一人で二役やっているみたい。 楽?だけど、相手との信頼関係は築けないよ。
あなたの感性を 好きになって 近寄ってくる人たちを、大事にするといい。
僕も以前は本に引っ張られてきました。落ち着いてきたら、引っ張られなくなった。
(高校生) 中学では私の意見を周りからいっぱい否定されたので、自分が嫌だったんです。
(田中) それだと、〈譲れない感性〉がぼやけて行くよね。 核心になっていかない。
中学のころ、あなたの方が周りの子たちよりも大人だったんじゃないかな?
あなたの言動を理解できないから、否定したんじゃないかな? (異物)初めて会った時、“田中さんとはいつまでも話せそうです”と言われて、どうしてだろう? と、ずっと「?」マークを点灯させてきました。
〈譲れない感性〉のことを聞いて、「?」マークは消えました。(響きあう)
(高校生) このごろ鏡を見たら、自分の表情がスッキリしていました。少し自信が出てきて、大人になってきたみたいです……。
“私は私から分けてあげるのが好きです。トゲトゲ感を出す人は嫌です。”
そんな感じる知性とでもいうような、譲れない感性を大事にしようと思います。
“信頼する”って大事なんだな、と知りました。
これまでの私は何かあると、抱え込んできたし、ネガティブに受け止めて来てしまったと思います。
(田中) この頃、自分のことをいっぱい話してくれるようになりました。オープンに!
それが今、「譲れない感性」 の話を聞いて、“僕の感じる知性と響きあったから、いつまでも……”だと分かりました。対話が続いていくって大事なんです。
譲れない感性、「核心」というようなものを譲ったら、大事なものではなくなります。
(高校生) 私が大人になっていくのを見守っていてくれて、嬉しいです。(笑)
自分の思っていたことが、言語化できるようになってきたかな、と思います。
(田中) 大人になり始めたみたいですね。(笑)