~18才との対話➉~
(18才)
祖父母から声がかかって、いとこを交えて4人で小旅行に行くことになりました。
ダブルバイトをしてますが、3つ目をコンビニで探そうかな?夜勤?
(田中)
いまでもバイトのシフトは少ないので、就活とかに動く時間はあるのでは…。
かつて昼夜逆転傾向があったので、朝から夜の間で探した方がいいと思うけど。フルタイムへの
準備でもあるし。トリプルのバイトで何を身につけるかを、考えるといい…。
(18才)
バイトしてて、ふと思ったのは、何か言われたりした時に私は、曖昧な返答をしてしまうのかな。私にとって嫌なことがあると、静かになってしまう・・・気分によっていろいろしゃべる人に対して、どこまで応答していいのか、境が分からないのです。
(田中)
怖い・嫌だな、が先にくるみたいだね。ひとは一人一人違うから、その境は一人一人違う…。
僕だと、まず訊きますね。答えてもらってから、考えて判断する・・・。境を見極める。
間髪を入れずに、反論することもあるかな。間を置いて言うと、イヤミっぽくなるから。
(18才)
「清浄なる精神」など本を読んでいると、このごろ自分のことに焦点を当てて読むようになり
ました。それまでは、書いてあることをスーッと読んでいた感じ。(分かる)
今のシステムがあるから一人では何もできないみたいに、行動する前に尻込みするタイプですね。
この本の「変容」の項で~「ヘーゲル哲学は人間を超越した絶対的な精神が世界を動かしていると
考える。日本の伝統的な精神が見ていた大いなるものは自然の世界、オノズカラのままに展開して
いく世界であり、世界を目的意識的に作ろうとするものではない。」
日本人は大いなるもの、自然、言葉で表せないものを発信していくけど、今の人は分からなくなっている。だから自分の思考で動いてしまう。たとえば、私は嫌な気持ちだけど、これは間違つている。
いけない理由は分からないけど。そんなみたいな感じなのかな・・・。
“何でなのか?”とはならないのです。子どもがお手伝いをしてくれるようになったのは、大いなる
もののおかげだ、分からないけどやってくれてる、となってしまうんです。
(田中)
“何でなのか?”は、いつも考えますね。毎朝、珈琲を飲みながら昨日の振り返りをします。
「18才との対話」をずっと読んでいる女性から、感想が届きました。
“18才さんは、慎重ですが、とても聡明な方だと伝わってきます。まだ個性ができていないからと言って
いますが、18才で確固たる個性は打ち立てられないと思います。今は下っているのではなく、登って
いる感覚だと言ってます。それこそが大事だと思う。読んでいて、私もワクワクしてきます。
まぶしいくらいに成長していく様子を想像しています。“(笑)
私も18才のころは、自分に焦点を当てて本を読んでいましたね。(笑)対人支援(SW)を始めたら、読む目的がはっきりしてきました。目の前に相談者・家族がいる。広げる・活かす・考える!
(18才)
この本の「人間の悲しさ」の項で~「ヨーロッパの伝統思想では、人間が自然のままでは野蛮な
状態とされた。人間ならではの知性を働かせて思考し、文明を築いていくことに人間らしさをみた。
日本の伝統思想は逆である。人々がみていたものは、知性を働かせるがゆえに失われていく人々の中に
ある自然的な生命であり、その衰弱を悲しさとつかむ思想である。」
仏教が知性をはたらかせるから、宗教にのめりこむのではないか?もし、宗教で知性を持つこと自体
を否定する人がいたこと、例えば悲しいという時に、知性で何かができないのが悲しい!となる。
そのとき宗教を信じる一因になる可能性もある。否定したいものも、今の自分につながっていることは
多い・・・。