《西ラップランドの現在》(カリ・ヴァルタネン医師)
違う国の人たちと意見交換をすると、自分たちの反省を得られます。
ラップランドのケロブスタ病院が廃止され、ケミ中央病院に新しい精神科病棟ができました。
それは、ODに関わっていた人達が定年退職しました。
国の変革、社会福祉と医療が合体しました。今までケロブスタ病院でできていたことが、できなくなりました。
しかし、ケロブスタ病院の廃止は、損失とは言えないと思います。
ケロブスタ病院がODの象徴と考える人が、多かったです。
1961年 ケロブスタ病院が誕生 ➡2023年 病床数は18でした。
社会福祉と医療が一体化したので、新しい取り組みができました。グループ活動です。
ex. クライアントの子どもたちのグループ(将来的なリスクあり)ができたりしました。
“ケロブスタ病院がよかったわ!” という声はないです。
前よりは人が病院へ来やすくなってると思います。
若い人の自傷傾向が増えているように思います。
人が診断名や病名を求めるようになったと思います。これは世界的な傾向でしょう。
私たちはネットワークを作ろうとしていますが、クライアントは一人で来て、診断名を求めます…。
この病院は紹介がなくても、直接来れます。
次の課題は、10-15 年後に定年退職していく人が出ることです。
新しく入って来る人材には、ODの知識はないです。
今のこの病院で、ODの3年間のトレーニングを受けた上層部は、一人だけです。
上層部がどれだけ理解し、サポートしてくれるかが大きいです。
今までは病院内のトレーニングで資格が取れました。
よいトレーニングはODの基盤です。
223.1 新しい仕組み(医療・福祉・救急)となりました。
当初は、医療と福祉にお金がかかるために変革が始まりました。
上の病院はここから125km 離れたロマニにあります。
これは大都市に向けてのものです。心理の問題を抱えている人にサポートができるというものがあります。国が力を入れているのは、短い時間で心理療法ができる人です。
私たちが大事にしているのは、継続性です。 聞くこと。何が人生において起きたのか、どういう関係性の中で生きているのか、などの家族のネットワークを大事にしています。
それとは違うことを国は推進していて、真逆のことを、どうやっていくかです。
最後になります。
この地上モデル(ODの原則)は、今も続けられています!
ひとつポジティブ~ 新しい可能性が、新しい家族との関わり方が出てきました。
今まで成人を見てきた医師が、青少年も診るようになりました。
新しい許可をもらって、ノンストップで1年間のトレーニングができるようになりました。
ラップランド地方のトップにいる人から、西ラップランドではODを続けてもらって結構、と言われました。
世界中の取り組みが、私たちの背中を押してくれています。 もっともっと対話を増やして、ODの大切なことが続いていければ、と思っています。
(田中の感想)
カリさん、ありがとう。
一体化したことで新しい取り組み(グループ活動など)が始まったとのこと!
家族のネットワークを大事にしていきたいと思っています。
話を聞いて個人的に思い出したのは、2014年 浦河日赤病院が精神科の病床を返上。
川村敏明医師らが退職して、《浦河ひがし町診療所》をオープンしたことでした。(文責・田中敏夫)