Pさんから、「寄り添うこと」は「信じること」です、とメールが届きました。
先回りするのは、相手を信じていないと思う、とも書かれていました。
対人支援で、いろいろな質問があったり、葛藤があったり・・・しばらく対話したいと思います。
皆さんもこの対話に参加してください。対人支援は、年を重ねるだけ熟成していけるみたいです・・・?
(Pさん)
うちの子も不登校になりかけました。ならなかったのは、親が障がいに気づいたからです。
ふつうに対応してはダメなんだと、担任に相談しました。最初は調子を合わせてくれ、やりますと言ってくれたが、やりませんでした。
こどもがクラスで一人ぼっちになっていることに気づいたけど、何もやらない。子どもはパニックに陥りました。
“僕死ぬ”と言って飛び出し、追いかけて頬を引っぱたきました。“お前ひとりで生きて来たんじゃないだろ“。
落ち着いて話せるようになりました。“どうする?”「学校へ行く」と言いました。
卒業まであとわずかでした。そして、本気でつきあいました。
担任には、トラウマがあると気づきました。
精神科医も私達に、“治療はいらない”と言いました。
高校を出て大学受験に同行しました。大勢の受験生の中でこどもは、固まりました。
人の中にいると具合が悪くなると知っていましたが、固まったのを見たのはそれが初めてでした。
怖くなる&固まる、を治すのに3年かかりました。
自分で動き出すまで、親は何も言わなかったです。
HWへ行って、障がい者の集まりに行って、資格を取り、社会福祉法人に8年間お世話になりました。そして、こどもは“障がい者枠で働くのは嫌だ”と言い、法人のスタッフも背中を押してくれ、今の一般就労の仕事を見つけました。
(田中)
トラウマを抱えたままの人が、人を支援するのは無理ですよね。自分を支配していないから。
固まる子ども!私も目の当たりにしました。そして、周りの子ども達が抱きしめてくれました。大人が教えたわけではないのに、そうできるこども!希望を感じました!
担任の先生は、一人で抱え込んでいたみたいですね・・・。信頼できる人に吐き出すとよかったと思います。本人が動き出すまで、じっと見守っていられる親もすごいですね。信じる!先回りして何とかしようとする親もいます。しばらく、「対人支援」ということを、一緒に考えていきたいと思います。
(Pさん)
子ども達は教わることなく、自然に助け合うことや、寄り添うことの大切さを知っているのではないでしょうか。教えたからできる、のとは違うように思います。大人は知識が邪魔をしてそれができなくなっているように思います。待つということの裏に、信頼がないとただ待っていてもうまく行かない気がします。先回りするのは信頼していない証拠なのではとも思います。信頼しているから待つ。じっと見守り寄り添いながら待つ。すると不思議ですが本人が動き始める。「対人支援」というのは、その子が本来持って生まれた「生きる力」を取り戻すまで、寄り添い待ってあげることのように思います。
◯《身体知と言語~対人支援技術を鍛える~」(奥川幸子著・中央法規・3200円・2012刊より)》
「人が人を、職業として、あるいは特定の目的を持って援助を行う実践は、クライアント・相談者
と対人援助者とのあいだで、双方向に作用する作用する相互交流に基づいて行われることが、
その結果や効果に大きく影響してきます。」(p.2)