~対人支援の熟成④~

寄り添う支援とは?(入口から出口まで)

(Pさん)
自殺を減らしたいのなら、それが地域に根付いた取り組みにならないと、ダメですよね。
ゲートキーパー(*命の門番は、2007年厚生労働省が呼びかけた)が一つの対応策だということは分かります。でも、実際には機能しているのか、疑問が残ります。
100人前後の地域の温かいネットワークを再構築することが必要です。
親身になって個人と向き合える人数は100人前後が限界だと言われています。
だとすると、分散した地域で機能するシステム。さらにそれらがネットワークで結ばれている。そんなモデルが浮かびます。
まずはできることから!この会のHPのトップに〈いのち相談窓口〉を設置します。
そして賛同してくれる人と連携し、ネットワークを広げる所から始めてはいかがでしょうか?
100人を超えたら他人だと思います。物理的な限界を考慮して、分散したシステムを構築しないと、解決は難しいことになります。

(田中)
私もゲートキーパーの講習を2回受講しました。
このごろ、公益社団法人日本フィランソロピー協会の高知県での研修の様子を聴きました。
自殺未遂の情報を、普通なら“個人情報だから”となるのに、関係者で共有するそうです!
ゲートキーパーなどが寄り添い&共有することが、自殺を減らすポイントなんだと感じました。
「寄り添う」支援と聞いたのは、15年前。仕事として対人支援を始めた時で、模索が始まりました。
相談に来た人を断ってはいけない・親身に相談に乗り対話する・支援会議をする時は本人を入れて開く・よくよく困っている人には食料と少しのお金が必要・アウトリーチ(訪問支援)をする・出口を見つけ、自律まで見守る。一人ひとり違います!初めて会った時、その人にあった距離の取り方を見つけます。
1.26 「学ぼう心のサイン10代の命」シンポで、伊藤次郎さんからは、“ どういう問題点を抱えているのか?
若年層の相談先1位は、相談しない・56%“。目の前に現れてくれるといいのですが…?

〈「身体知と言語~対人支援技術を鍛える~」より〉(奥川幸子著・中央法規刊・2012年)


◯援助者は、まずクライアントが生きる意味に添ったニーズの探求と理解をクライアントとの共働作業を通して行い、両者間で共通認識できることを目指します。さらにニーズを充足させる支援計画策定の際には、クライアント固有の問題状況の見積もりに応じて必要な対処・解決のために要求される数々の能力を、クライアントが本来どれくらい有しているかも探りながら、クライアントが本来、または潜在的に有している強さや生きる力を、現在と将来に向けて十分に発揮できるような視点や働きかけが必須になります。(p.58)

◯そして彼らご自身で自分の強さを発揮し、実際の生活場面で力を出せるような土壌を整えていきます。
そのために、まず面接で情緒的な側面への〈手当て〉を行なう必要があるのです。(p.59)

◯クライアントの統合的理解へのポイントは3点~
①置かれている固有の問題状況を見積もる。(システム理解)②本来有しているはずの対処能力を見積もる。(潜在的な強さや力への理解)③生きる意味に添って理解する。(内的世界への視座)(p.65)

◯対人援助専門職が実施するアセスメントの目的は、いうまでもなくクライアントに生じている身体や精神、心理的な側面も含めた社会生活上の問題を見積もって、彼らのニーズ・対処課題を抽出することによって、適切な支援計画を策定することにあります。

◯「対象者が有しているはずの潜在的な強さや生きる力」は、〈過去〉に隠されています。
いいかえれば、クライアントが人生の過程において何を大切にして生きて来られたのかは、これまでに遭遇してきた重要な出来事に対してどのように対処してきたかを知ることにより、理解することができます。
このことは、〈ひとへの理解〉の中核的視点です。(p.71)


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