~ 「子どもたちの声 生かさず ~ 増加する不登校・国の対策は失敗」 (10.14 付 信濃毎日新聞・教育欄 コンパス、内田良子さんの提言を読んで ~
2022年度調査/ 不登校 29万人・その他の不登校 6万人・イジメ 68万件・小中生の自殺 411人。
内田さんの投稿を要約して紹介します。
「10.4 文部科学省が “2022年の問題行動・不登校調査” を発表しました。
年間30日以上欠席した不登校児は、29万人。他に、学校外の学びを選択したり、非行などの子は6万人いる。」
「不登校の理由として学校があげている理由は、“無気力・不安” が51%、いじめが 0.2 %、教職員との関係をめぐる問題が、1.2 %。 登校しようとするとお腹が痛くなったりするが、小学生27% 中学生 33% 。」
「2020年度に文科省が実施した調査では、“学校に行きづらいと感じ始めたきっかけは、先生と合わなかった
や先生が怖かったなどが、小学生で30%、中学生で28%。この子どもに聞いた現実を文科省は不登校対策
に生かしていません。」
「今年の報告で気になるのは、小学生の自殺の増加です。昨年の8から、19人に増加。警察庁発表は485人。」
「全国不登校新聞社が企画した講演会で、松本俊彦医師は、“遺族の方から聞き取りをした研究で、自殺をした
若者の多くが不登校を経験しており、そのうちの75% がわりと速やかに学校復帰しています。不登校の支援というと大人は、学校へ戻ることがゴールと考えがちですが、それは誤りです。子どもの立場に立って考える
ならば、不登校は子どもが生き延びるための戦略です。“」
「私が各地の相談で聞いた、再登校後に自己を殺して過剰適応し、休めない重圧に押しつぶされた命が、実証的に語られていることに震える思いがします。 国が長らく続けている早期学校復帰対策が、子どもを自殺に
追いやっている可能性があります。」
内田良子さんの提言に刺激されて、私の視点を書きます。
- “不登校の理由は、無気力。不安が51 %。イジメ0.2 %、教職員との関係1.2 % ”
問題は、〈本人と両親にある〉と聞こえます。学校生活の中で、無気力・不安を改善できないのでしょうか? 一人一人に的確に寄り添った支援で! たとえば、愛情不足の子どもに愛情を注ぐというように。
〈安心基地〉がないために、成長できない子が増えていると感じます。 子どもたちどおしのつながりの中で育ちあったり、家庭と連携し、学校内でできないのなら放置せず、外に求めてほしいと思います。
〈無気力・不安〉と判断するのは、裁判官みたいと感じます。それでは、子どもは心を開かないでしょう。
相談支援する基本は、〈バイスティックの7原則〉に表現されています。 - “学校へ戻ることがゴール” ではありません。
私は転向したばかりの学校で、同級生(小6)が縊死した時の第二発見者でした。
また、“学校へ戻ったから大丈夫” と判断してしまった話を聞いて、本当に驚いたことがありました。
こどもの心の中に入り込んで、内面と向かい合い、対話できる支援者は、どれほどいるでしょうか?
支援会議に小中学生が参加している学校は、どれくらいあるでしょうか?
細かな校則や生活指導について、子どもたちはどう思っているのか、聞いてみてはいかがでしょう? - イジメは長く尾を引き、成長に生活に悪影響を及ぼします。 (「身体はトラウマを記録する」)
- 68万件のイジメの一つ一つに、どう的確に対応したのか?
イジメを許さない子どもに成長したのか?
率直な振り返りが必要です。 保育園・幼稚園から小学校低学年での対応が、とても大事です。 - 両親が外国籍の場合は、子育てのために日本語習得から始める必要があります。そんな支援は?
- 一人親家庭の子どもが、スマホと共に一人でうちにいなくても済むようにするには?
- 中学卒業して進学しなかった子への支援はどうするのか?
(田中敏夫記)